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Boys Love Institute

ノンケ男がBL世界や雑談をだらだら綴るブログ

「妄想の指先はバラ色」を読んだ感想は『照れくさい恋愛は男に似合うんだなぁ』だった

妄想の指先はバラ色と云うタイトル。なかなか意味深で気に入りました。ジャケ買いならぬタイトル買いです。作者の山田2丁目というペンネームもほんわかしてていいですね。山田先生とお呼びすれば良いのか、2丁目先生とお呼びすれば良いのか悩んでしまいますが。

 表紙イラストの淡い色使いから、ハードなエロと云うよりはこっ恥ずかしい赤面恋愛ものかもしれないと予想して手にとりました。

 これが意外にも当ってたんですよねー。

 ちょっとは選球眼が育ってきたんでしょうか!?例によってネタバレを気にせず感想を書き綴りますので、購入予定のある方はご注意くださいませ。

基本情報

妄想の指先はバラ色 (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)

妄想の指先はバラ色 (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)

 

 罰ゲームでキスしたときの真っ赤な耳も。部活中のオレを見つめる視線も。高校時代からずっと、外角は先輩の愛須にイラついていた。

こっちをチラチラ物欲しそうに見るくせに、決定打の一歩は踏み出さない。その一歩を待ち望んでいた自分にもいい加減腹が立つ。ある晩、外角のイラつきは限界を突破、ついに愛須を押し倒し……!?

自由奔放な高校教師と、振り回されながらも一途に追いかける男子高生の厄介な恋も収録v

 感想

とにかくタイトル買いした作品ですから、前知識事前情報、一切ナシです。絵の雰囲気も好きか嫌いか判断せずに読むと決めたワケです。扉をめくったカラーイラストをみる限り、大人の恋愛なのかなーと思いつつページをめくりました。

 本作、30ページ前後のエピソード5本と、5ページ程度の短編3本という構成でちょっと変わっています。ただ物語の流れとしては、上手く短編が差し挟まれる形になっていて、読むテンポに変化が生まれて飽きさせない作りになっています。

 作家のセンスなのか担当編集者のセンウなのかは判りませんが、なかなか良い演出だと思いました。

とにかく素直じゃない男達

物語全編を通して、2組のカップルが登場します。この2組共に、もんのすごく素直じゃない男達の恋愛を描いているんですね。ツンデレとかいう言葉はもはや常用単語だと思いますが、云わばツンデレデレデレみたいな感じです。

 中学生並みに恋人の心理を想像出来ずに勝手に心配してネガティブ思考の妄想ラビリンスに迷い込む大人。

 純粋な恋愛に没入しているが故に、利己的な恋愛感情を恋人に悟られたくないと云う気持ちは、確かに美しさもあるし幼さが可愛くもあります。

 ただ、読んでいる僕はです。

 自分の恋愛対象は女性ですから、このツンデレデレデレ感を女性に置き換えて実際に付き合う相手として想像すると、もーーーむーっさ面倒だと感じてしまうんですね。2回までだったら可愛いヤツめと思えなくもないけど、もういいかげんにしてっ!と叫んでしまいそうです。

外角
  • 愛須と伊井の後輩
  • 伊井を部活の先輩として尊敬していたが愛須が伊井にくっついてくるのを疎ましく思っていた
  • 愛須が自分を好きである事は学生時代から気が付いていた
  • じれったい愛須にイラつき付き結局は自分からつき合うきっかけを作った(ヤった)
愛須
  • 外角を学生時代から好きだったが表に出せず片思いしつづけていた
  • 伊井とは親友、事ある毎に伊井と外角の飲み会にくっついてくる
  • 外角にはそっけない態度だが、外角から攻められてグズグズのM受け発覚
  • 外角といちゃつきたくてたまらないが恥ずかしくて云えず正反対の事を云ってても外角にはバレバレ
伊井
  • 学生時代から愛須の親友で、愛須の外角に対する気持ちを知っていた
  • 事ある毎に愛須を外角に逢わせようとして、バイブレータをプレゼントするなどしていた
  • 大らかな性格でぽやーん系眼鏡受けのバイセクシャル
  • 志方の押せ押せ未熟恋愛にほだされて付き合う事になるがゆっくりと志方を好きになっていく
志方
  • 伊井が教師を務める高校の学生
  • 伊井との一夜限りのセックスがきっかけで伊井を忘れられなくなる
  • 伊井の穏やかさに不安を感じ愛須や外角との関係を邪推しがち
  • なんだかんだ疑ったり強がり云ったりしても伊井が好きすぎて離れられない

 まあなんとなく伝わったでしょうか。

 つまりは、こういう面倒臭そうなキャラクタ達の恋愛劇が展開されるワケですね。先にも書きましたが、女性に置き換えて想像すると、とんでもなく面倒臭い事極まりないと感じてしまうこれらの性質は、男性同士の同性愛に当てはめると意外な事に、そう面倒でもなく感じてくるから不思議です。これはどういう事なんでしょうか。

ギャップ萌えのテンプレート的表現

これはギャップがグっとクると云う話で簡単に説明出来そうだと気が付きました。ギャップってのは、上下の差分が大きければ大きい程その威力が増しますよね。そこで素っ気なさとデレた可愛さの差分量がポイントになるわけですが、この対象が女性の場合はデレの可愛さは獲得しやすいにしても、素っ気なさ、ツンの部分については上振れに限界があるのかなーと思います。
 言葉使いを乱暴にしたトコロであくまで女性が喋っている前提がある以上、粗野になるにも限界があります。どこまで行っても女性が云ってる事だし。

 元々が優しいだとかか弱いだとか、「ツン」を表現するにはそもそも不利な性質を持っているのが女性です。まあソコがいいんですが。だからこそ「ツン」を表現する事の意味が際立つのだとも云えますが、やはりある一定の領域を逸脱しません。
 ところが。
 元々、力強いだとか荒々しいだとか粗野である、という性質を獲得済の男性は、「ツン」を表現するには本来的に向いているのではないでしょうか。単なる乱暴さとして表現されるものでさえ、その反面のデレが極端であればある程、際立ったギャップ足り得るわけですから。
 さてここで、元々粗野な存在として一般化された男性が「デレ」の表現には不利かという疑問が湧き起こります。
 普通に考えれば、女性が「ツン」の表現に不利であると仮定した一方で、男性の「デレ」表現もまた、不利な組合せと捉えるのが自然でしょう。がしかしそうではないようなのです。つまり、女性は男性化する事が難しいのに、男性が女性化する事は容易である、かもしれないからです。

男性の女性化、雌化

どんなに肉体的、物理的に屈強で大柄な存在の男性でも、「やだ……」とか「やっ……」とか云っちゃうだけで直下型雪崩式フランケンシュタイナーの如く、総ての男性的ファクタを裏返す形で女性化してしまうって事です。

 顔を赤らめた瞬間に、男らしさの総てがギャップ要素に変換されるので、男らしさと受け的女性らしさ(?)は等価交換の関係にあると云えそうですよね!

 ちょっと自分でも、何を書いているのか良く判らなくなって来ました。

 まあ、云いたい事は男のギャップ萌えは作りやすいのではないか、って事でした。本作「妄想の指先はバラ色」は、そのギャップ萌え要素をとても上手に作品に取り入れていて、ここが女性にウケるポイントなんだろうなぁと思った次第です。あ、ちなみに男の僕が読んでいても、愛須のグズグズM受け開花は、可愛らしいと感じましたよ。

 あと、物語には直接関係ありませんが、登場人物達の苗字が変わってるなーと思いました。およそキャラクタの姓名として使わないような苗字です。これも2丁目先生の個性なのかな。

絵の話

最大の特徴としては、全員顔が長い、です。僕などはまだまだBL新参者ですから、最初ちょっとびっくらコイてしまいました。まあ3ページも読めば直ぐに慣れたんですけどね。こう云った馬面面長の男性キャラクタというのは、女性向け漫画の系譜として確かにありますよね。

 あごの骨格もくっきりしているから、より男性らしいという記号的表現なのかなーと思いました。で、その男性らしい顔がぐずぐずに感じるのがエロい、っつー事ですね。

 よだれと涙を流して、後輩の男に攻められながら感じまくる先輩、とくればフツーにエロ漫画のテーマと同じですからね。

 本作では、ものすごーくエロいんですが、結合部などの局地的描写は少ないのです。むしろ顔にエロを集約させている感じ。これはもう、エロ顔漫画、と読んで差し支えないと思います。もちろん褒め言葉です。

最後に

行きずりのBL漫画だったのに、意外に楽しめてしまいました。ラッキー!まだまだ読んでいないカップリングの作品が大量にあるので、更に奥地へと足を進めますよ。BL森の奥地に。■■

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written by つよ