Boys Love教習所

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「メゾン・ド・ヒミコ」を観た感想は「そうじゃないでしょ?」だった

土曜の深夜、腹痛の腹を撫でながら前から見たいと思っていた映画を観ました。「メゾン・ド・ヒミコ」はゲイの老人ホームを舞台に、恋愛と家族愛とヒューマンなドラマが並走する作品です。簡単に書くと安っぽいですけど。あ。ネタバレ前提で書きますので、観ようかなと思われている方は、是非ご覧になってからお読みくださいませ。

基本情報

メゾン・ド・ヒミコ Blu-ray スペシャル・エディション

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涙はきっと暖かい

私を迎えに来たのは、若くて美しい男。彼は、父の恋人だった。

塗装会社で事務員として働く沙織。ある日、彼女のもとに若くて美しい男・春彦が訪ねてくる。彼は、沙織と母親を捨てて出て行った父の恋人だった。
沙織の父は、ゲイバー「卑弥呼」の二代目を継いだが、今はゲイのための老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」を創設、その館長を務めているらしい。
春彦は、その父が癌で余命幾ばくもないと言い、ホームを手伝わないかと誘う。
父を嫌い、その存在さえも否定して生きてきた沙織だが、破格の日給と遺産をちらつかせて、手伝いに行くことを決意する。
死にゆく父親、その父親を愛する春彦、そんな二人を見つめる沙織・・・いつしか三人に微妙で不思議な関係が芽生えていく。

感想

残念ながら、僕的にはあまり好きではない作品でした。

 体調が悪かったからかもしれませんけど印象に残ったのは、オダギリジョーの背中がめっさ綺麗でいい肩幅してるって事と、途中のダンスホールでの群舞のシーンは絶対要らないって事と、強烈なもやもや感が残る、って云う事でした。

 あの群舞のシーンで気分が思い切り冷めてしまったので、後半は否定的な目で見てしまっていたような気もします。序盤は嫌いじゃないんですけどねえ。

 どうも、それぞれの要素が中途半端にしか描かれていないように思えてしまい、とりあえず置いておこうと先送りした感情が、そのまま満たされる事無く放置された感じでした。

もやもやするのは何故

同性愛者を取り巻く社会的な切なさや悲しさ、異性愛者との間に横たわる埋められない感覚の溝、言葉で書くとググっと乗り出したくなるテーマが散りばめられてはいます、確かに。

 しかし、どうにも伝わってくる情感やセリフが「途中感」の強いものばかりに感じられて、ずっとムズムズしてしまいました。

 同性愛者が年をとって死ぬ時、看取るのは誰なのか、なんてことを考えた事もなかったので、ある意味ではショッキングでしたし、うむむと考えさせられるシーンはあったのに、どうしてこんなにもモヤモヤするのか、自分でもその理由がよく判らないんですよね。

 「結末の解釈を観者に渡す」というのならまだアリだったかも。「ただあるがまま」というのがどうも僕の肌に合いません。女性の感想はまた違ったものだったりするのかなぁなんて思ったりもしますが。んー、なんかスッキリしません。

ゲイってそうじゃなくない?

ノンケの僕が語る事じゃないのはわかったうえで書きますが、物語の途中、沙織と心を通わせた春彦がセックスをしようとしたのに結局出来ないというシーンがあります。二人の心は通じつつあるのに、体はそれを受け入れない、と云う演出なのかな?ここは物凄く強烈な違和感を感じました。

 そういうことじゃないでしょ?

 ホモ・セクシュアルとバイ・セクシュアルを安易に混同している感じがして、なんとも嫌な気分になりました。

 感覚的な感想なので説明しきれないもどかしさがありますね。誰かと語りたい作品、てことかなあ。

 あ、役者さんはとても良いですよ!

ところで本編とはまったく関係ない話

映画やドラマのベッドシーンで良くある場面でいつも思うことがあります。

 行為に及んでいる男女、女の首筋に激しく吸い付いている男の肩越しに見える女の顔が、実は結構冷めていたり別のことを考えているかのようにイマイチ没頭していないという演出。

 こういうの、よくありますよね。

 僕はこのテの演出を見ると、男としてすごーく切ない気分になってしまうのです。「こういうことって実は自分が判ってないだけで、結構あったことなのかもしれない、ってことを否定できないよなぁ。」なんてことを考えて、胸のあたりがクーっと痛くなります。

 あまりに小さいコトなので、まあ聞き流してやってください。

最後に

なんだか文句ばかり書いているようなエントリになってしまいました。が、結果的に色々を考えるきかっけになった、のかも、しれないような、気がしないでも、ないような……。

 やはりスッキリしませんので、もう一度観てみようと思います。とう!■■

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written by つよ