Boys Love Institute

ノンケ男がBL世界や雑談をだらだら綴るブログ

「そんな目で見てくれ」を読んだ感想は『バカでい続ける事は最強の必要十分条件なのだ』だった

久しぶりに、BLギャグ漫画です。ブログ立ち上げ以来僕は、常にBL作品を読んでいるんですよ、地道に地味に。さてこの作品も、かなり評価されていたようですね。幾つかのメディアで表紙イラストをちょくちょく目にしていました。表紙の瞳が小さい吊り目の絵に惹かれつつ。ではいざ。いつもながら、ネタバレを厭わずに書くつもりですので未読で購入予定のある方は、別の記事でもドウゾ。

基本情報

そんな目で見てくれ (マーブルコミックス)

そんな目で見てくれ (マーブルコミックス)

 

各界の令息が通う男子校・私立シリカゲル学園。

そんな並み居る御曹司たちの憧れの的である眉目秀麗な生徒会長・大和御門は、たまたま入学式で根暗な新入生・根崎春の笑顔を見て以来、無口で物静かな彼のことが気になって仕方がない。
これはもしや……!?

我が道をゆく猛烈なギャグセンスでジャンルレスに突っ走る鬼才・毛魂一直線、
初のBLコミックス!

感想

いやー面白かった。物事深く考えずに片想いの馬鹿エネルギーを発散させる主人公の存在ってのは、何もBLに限ったやり口ではありませんよね。気になるあの子は自分の事をどう思っているのか、と云う問いは、ドラマ発芽の可能性で満たされています。

 本作の主人公「大和御門」は、生徒会長&超金持ち&超イケメン&超スポーツマン&……、とにかく総てを手に入れてしまっているスーパー御曹子です。ただしその環境であるが故に、人の心をおもんばかる事が出来ないバカとして表現されます。

 もちろんコレはネタフリでして、物語が進むにつれて後々キいてくる構造になっているわけです。

バカのパワーはいつの時代も無敵

物語における「バカ」とは、つまり超純粋の比喩でもあります。自分の欲望に従順で、世間を取り巻く常識に左右される事なく、感情の起伏をコントロールしようとしない人格が存在するとしたら?

 バカと云う単語の本来的な意味とは裏腹に、物語創作の地平をグングンに押し広げてくれるわけなので、「主人公がバカ」はあらゆるジャンルですっかりテンプレート化済みです。

 Dr.スランプ、ドラゴンボール、スラムダンク、トリコ、ナドの少年ジャンプ勢は明らかにこのテンプレを戦略的に活用していますよね。

 簡単に云ってしまうと、本作は完全にテンプレ漫画作品です。目新しさを楽しむタイプの作品ではありませんので一向にかまわないわけですが。

 バカパワー全開のスーパー主人公が、フとしたきっかけで平凡な少年の事が気になり始め、気がつくと好きになっている自分に気がつく、今まで自分から人を好きになるなんてなかったと云うのに……的な!

 初めて人を好きになると云うイベント性は、相手が同性である事で最大化され、叶わぬ相手であればあるほど気持ちは盛り上がっていきます。

舞台はホモの惑星

このお膳立てを採用していながら、物語の舞台はホモの惑星です。つまりホモは別にアリの世界。ギャグ漫画なのでそうしたほうが話を転がしやすかったんでしょうね。

 構成上は、ホモの恋愛ハードルは特に設定されておらず、純粋に2人の人間関係が如何な形で発展するか、と云う点にフォーカスしています。ホモハードルを捨てた代わりに、過去ハードルが待っていました。

 根崎くんの過去には、極度の人見知りになるきっかけとなった辛い過去とその辛さから救ってくれた先生とのエピソードが大きな存在として横たわっており、大和くんの恋愛成就願望の前に立ちはだかるわけです。

ギャグから始まりシリアス展開へ

ギャグで始まった物語は中盤から核心に向かって動き始めます。アハハと笑いながら弛緩し切った感覚で読み進めていた読者は、大和くんの涙でハッとさせられます。

 本当に好きなんだね。

 まるで、「自虐の詩」のような気持ちの良い裏切られ方です。ここからは結末に向かって2人はグイグイと人間関係を押し進めていくのですが、この展開が気持ちいいのです。

 それまでは作者の手によって(演出として)はぐらかされていた、恥ずかしくも萌えるセリフと展開。このカタルシスの為にギャグがあったと云っても良いでしょう。根崎くんがデレたあとの可愛いこと可愛いこと。

絵のはなし

シンプルな絵が昨今の流行のように思いますが、割と古い少女漫画の作風に近いかなと感じました。絵だけで引っ張るのは少々難しそうな。しかしその事は作者本人が1番良く知っていて、だからこそ恋愛する2人は基本的にふざけた絵で描かれており、恋愛な関係する重要なシーンでのみ、本意気の絵で表現されています。己を知るのは大事な事ですね。

ついに初体験

僕が、です。なんの事かと云いますと、男の子の顔の絵が可愛い!と感じた事、です。根崎くんの、前髪を切った後の吊り目で笑う顔ですね。この事で気がつきましたが、僕はどうやら吊り目と三白眼がツボのようです。天野喜孝先生、中村明日美子先生、の絵にグっとくるのはそう云う意味だったのかと。今更ながら。

最後に

ギャグ漫画の書評なのに、なんだか随分と言葉を綴ってしまいました。面白いものに対して無粋な事をしてしまったかなと思いつつも、感じた事が多い作品でしたので、自然な事ではあったのです。

 毛魂一直線先生の他作品も読んでみたくなりました。オススメがあったら是非タレ込んでくださいませ。■■

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written by つよ