待ち望まれていたかは自信ありませんが、ファイブスター物語についてまた語ってみたいと思います。ただ、本当のところ第3回は全巻のあらすじだとか、ゴティックメードの話を書いていたのです。実際、下書き状態で何度も加筆して削ってを繰り返していました。
ですがそんな中、ファイブスター物語13巻の発売が告知されたではありませんか!今回は誤報でもなんでもなく、本当に発売されるようです。めでたい!
そこで。
13巻発売を記念し緊急企画として連載第一回掲載のニュータイプをベースに、1986年とはどういう時代だったのか振り返ってみようと思います。
ニュータイプ1986年4月号
今回、自宅のウォークインクローゼットから発掘しました。実に懐かしいですねー。表紙はZZガンダム。ちょうど創刊から1年目にファイブスター物語は連載を開始したんです。
裏表紙の広告はこんな感じ。 懐かし過ぎのファンドラの広告ですね。ご存知でしょうか、夢次元ハンターファンドラ。永井豪原案、キャラクターデザイン田村英樹のOVAです。主人公ファンドラ役は、あの堀江美都子さんですぞ。ちょうど前年からシリーズ展開してたんですよねえ。
OVAがまだ熱かった時代って事です。さて、中身を見てみましょう。
春の新作アニメ
高橋留美子原作の「めぞん一刻」が、春クールの新作アニメとして始まったんですね。映像化を心待ちにしていた記憶がうっすらあるような無いような。
キャスティングは音無響子/島本須美、五代裕作/二又一成、三鷹瞬/神谷明、四谷さん/千葉繁、一の瀬花枝/青木和代、賢太郎/坂本千夏、六本木朱美/三田ゆう子、です。
今見ると鼻血が噴水並に出そうな豪華さです。
その他の新作紹介です。
「まんがなるほど物語」、「ワンダービート5」、「銀牙-流れ星銀」、「魔法のアイドル パステルユーミ」が、始まったんだそうですが、これら総ての作品を、一度も見た事が無いのでスルーします。
劇場版アニメ
「うる星やつら」の劇場版ですね。この春「めぞん一刻」が始まったのは、3月で「うる星やつら」が長年にわたる放送を終了したからなんです。その最終回を受けて、劇場版で締め括り、と云う流れ。物凄く人気があるコンテンツでしたからねえ。
今でも現役で活躍されている高橋留美子先生は、化物作家認定済です。
1年前の春から放送を開始した「タッチ」の劇場版「背番号のないエース」です。この作品はTVシリーズの2クール分27話を再編集したものなのですが、もちろん追加シーンも含まれていました。ただ恐ろしい事に、TVシリーズと同じスタッフがTVシリーズと並行して新規追加シーンを作画するというデスマーチ進行で制作された、涙なくしては観れない作品なのです……。
もちろんこの時代でも藤子アニメは大人気です。ドラえもんは「のび太と鉄人兵団」ですね。2011年に、リメイクされた同名映画タイトルのオリジナル版と云う事になりますね。
「アリオン」もこの年の3月に公開されました。安彦良和先生のアレです。すんげーお金をかけて制作されたのに、ものすげーヒットしたワケでもないビミョウな作品。
作画は美しいんですけどねえ。
特撮ヒーロー
特撮ヒーローと云えば東映ですね。「時空戦士スピルバン」の特集です。宇宙刑事シリーズ3部作の後に始まった、一連のメタルヒーローシリーズですね。
この時代は、悪役で曽我町子さんが健在です。最高でしたね曽我さん。
そして森永奈緒美さんですよ!宇宙刑事シャイダーのアニー役で人気に火が付いたJAC所属の女優さんです。後にヌード写真集を発表されて驚いた記憶も今は昔……。
戦隊シリーズは「超新星フラッシュマン」です。シリーズ9作目くらいでしょうかね。このシリーズも現在まで続く超長寿シリーズですから、東映恐るべし。
とにかくこの頃の東映はイケイケドンドンでした。
時代はZZ
1986年3月から始まった「機動戦士ガンダムZZ」の特集です。さてここでおやーっと永野先生の話題が絡みます。前置きながっ。ご存じの通り前作「機動戦士Zダンガム」では、永野先生はメカデザイナとして参加されており、百式、ポリノークサマーン、などの個性的なモビルスーツをデザインされていました。
そして、続編に「機動戦士ガンダムZZ」においても、メカデザインの続投が発表されていました。
ところが。
1985年末に永野先生降板が決定してしまいます。ショッキング。事態の背景や永野先生の云い分などについては、後に各雑誌上のインタビューなどで語られましたので割愛しますが、まあザックリ云うとスポンサーサイドが永野先生のデザインを商品化出来ないと判断したんでしょうね。
そして前号のニュータイプ1986年3月号に、永野護版ZZガンダムのデザインが掲載されます。それがコチラ↓ ……。ぎりっぎりガンダム!?いやもうこれはモーターヘッドでしょうよ。このデザインをビームライフルと云いきってしまう永野先生がカッコ良過ぎてしびれます。
自分のクリエイティビティをコンテンツに迎合する事なく貫き通す姿勢は、そうそう簡単に実現出来るものではありません。このデザインは後にFSSにて、若干の改修を経てワイツミラージュの名を与えられる事になります。
とにかく永野先生は独自路線満開、孤高のクリエイタであると云えますよね。ちなみに、永野先生のモビルスーツデザインについては、下記サイトがお詳しいので興味の或る方はGO!↓
で連載の一回目
やっと本題。これがFSS連載第一回の本誌です。こんな感じでいきなり見開きの年表が出迎えてくれます。ビビルでしょ、こんなの始まったら。
裏はこんな感じ。この時点では、ソープとアマテラスが同一人物である事は、もちろん判りません。でもまあ、最初にこんなキャラクタ設定まで掲載されていると、なんだかものすごい作品が始まったらしい、という気分にさせられたものです。
そしてこの号を購入した後、僕はニュータイプを長期に渡って購読する事になりました。連載と単行本には、描き直しの差分が多数ありましたので、見比べる楽しみもありましたね。
今では、リブートシリーズとして大判単行本も発売されていますから、当時の味わいを体感されたい方は手に入れてみるのもありかもしれません。高いけどね。
最後に
いかがでしたでしょう。当時の空気をなんとなくでも味わっていただけたでしょうか。
紹介したいページはまだまだあるのですが、キリがないのでカラーページに絞ってご紹介しました。
さて、あとは13巻の発売を待つだけですね。もしかしたら発売前に、もう一度FSSエントリを書けるかもしれません。■■
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