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ノンケ男がBL世界や雑談をだらだら綴るブログ

「抱かれたい男1位に脅されています」1~2巻を読んだ感想は『何を表現したいのかが良く分かる作品だな~』だった

久しぶりに桜日梯子先生の作品です。去年や一昨年のBL界隈漫画ランキングではお馴染みだった作品ですが、実はまだ手を付けていなかったのです。「年下彼氏~」は2巻とも読了済で感想も書かせていただきましたが、さて本作はどうだったのか。ネタバレ上等で書きますので、未読の腐女子諸姉はご注意くださいませ。

基本情報

抱かれたい男1位に脅されています。 (ビーボーイコミックスDX)

抱かれたい男1位に脅されています。 (ビーボーイコミックスDX)

 

「一生、俺から離れられない体にしてあげますね」
5年連続「抱かれたい男1位」の西條高人がついに首位陥落。その座を奪ったのは芸歴3年のド新人俳優、東谷だった…!
敵意ムンムンの高人に対し、東谷は邪気ないキラキラ笑顔で懐いてくる。警戒心MAXの高人だったが、酔った勢いで東谷に醜態をさらしてしまってから立場が逆転! 握られた弱みの交換条件として「抱かせて下さい」と提案されて……?
「抱かれたい男1位だった俺を抱く? 何言ってんだコイツ! 」な表題作と、ほかハイテンションドエロ読みきりを大量収録!

抱かれたい男1位に脅されています。 2 (ビーボーイコミックスDX)

抱かれたい男1位に脅されています。 2 (ビーボーイコミックスDX)

 

新人俳優の東谷に、「抱かれたい男1位」の座と同時に カラダまで奪われてしまった高人!
東谷のキラキラ笑顔&ド直球な愛情表現に慣らされ始めた頃、 高人が後輩の綾木にホテルへと連れこまれてしまって…?

大量重版の超ヒット作、続編がついに登場!
激エロ3Pvネトラレトライアングルも同時収録です! 描き下ろし有! 

感想

一気に2冊を読了しました。桜日先生の作品は、表紙の掴みが今風ですよね。「年下彼氏~」もそうですがラノベ風の長いタイトルが持ち味になっているんでしょうか。軽く調べてみましたが、桜日先生の作品はまだ僕が読んだ4冊だけのようです。

 ま正直、タイトルは単なる掴みと云うか出オチと云うか、さほど内容に関係してこないんですよ。具体的で長い分、あまり比喩的に使う事も出来ませんし。でもソレはソレでアリっちゃぁアリ。

 数多のBL作品が乱立する中で一人でも多くの腐女子諸姉に手にとってもらうところから既に戦いは始まっているワケですから、出オチだろうが何だろうがまずは作品を読む体制になってもらう必要があります。ココはもしかしたら、編集担当者とのディスカッションによって生み出されたのかもしれません。作品性という側面よりも、ビジネスとしてBLコンテンツをどう扱うかという話題に近いように思えるからです。

 読み始めてからは、実際に作品の力で魅了出来るか否かの勝負になります。ココはもう作家がただただ頑張るしかない土俵です。

物語性は超王道の恋愛モノ

さて物語は、基本的に二人の主人公を軸に展開します。アレ?どこかで見たような展開?ハイそうです。本作は「年下彼氏~」とまーまー似ています。似ているどころか、概ね焼き直しに近いです。しかし誤解なきよう、何もソレはダメな事だと云いたいワケではありません。自分が読みたいと思える内容を描き、それを多くの人々が手に取り楽しむと云う関係性において、何ら問題はないと承知しております。

 主に桜日先生の作品を読むうえで選別される属性は次の通りかと思います。

桜日作品フォーマット
  1. 年下攻め年上受け(確定ルール)
  2. 年下攻めが基本的に二人の関係性をリード
  3. 年上受けは基本的にノンケ寄りでスタート
  4. セックスにおいては無軌道一途な年下
  5. セックスにおいてはイノセントな年上

 こうこれは作家性と呼んで差し支えないレベルだと思います。この基本フォーマットをベースにして、主人公二人の恋愛進捗を、セックスの上達と共に覗き見る感じが桜日作品の読み方、かなぁと思います。

 つーかこれ、少女漫画の王道フォーマットですよね。

 攻め受けについて程度の差はありこそすれ、恋愛物語は基本的に当事者のいずれかが駆動させなければ二人の関係は進展しないワケですから、恋愛物語には必須の役割配置です。桜日先生の場合ソレは年下攻めが担当しています。

 主には年下攻めが作るきっかけに流される形で年上受けはなし崩し的にホモセックスに導かれ、いやだいやだと云いながらも体は反応しまくってしまい、年下攻めの思う壺にハマっていく。

ノンケからホモへのジャンプ

BL作品の重要ポイントの一つである「ノンケからホモへのジャンプ」も桜日作品では外せないポイントです。日々は理性的な成人男性がアッパー系年下男性の強引(and実は無垢)なアプローチによって、心も股も開いてしまうところに醍醐味があるんでしょう。

 絵的な面で云っても、年上受けが攻められて理性がグダグダになっている時の顔の描き込みや、大好きな年下から焦らされて辛抱たまらン状態になっている時の表情などは、作品中最も桜日先生の熱がこもった描線になっています(と思います)。桜日先生はギャップが生み出すドラマ性や愛おしさを大切にしておられるに違いありません。このあたりは「年下彼氏~」とは大きく違う部分でして、年上受けの高人くんは普段、業界歴20年のベテラン俳優であり俺様キャラなんですね。俺様がグズグズにメタモルフォーゼするのですから落差としては十分でしょう。トップロープからの雪崩式フランケンシュタイナーみたいなものですね♪

男目線の話

しかし男の僕からするとこの「ノン→ホモジャンプ」は、最大の違和感と云える部分でもあります。つまり、ノンケの男をホモセックスに持ち込むのはそうそう容易くない、と知っているからです。いえいえ、僕が持ち込もうとした事があるとか、持ち込まれそうになったとか、そう云うエピソードがあるわけではありません。っちが……バカ、違うって!

 現実世界において、男が男に対して持つ嫌悪感と云うものがありまして、これは恐らく女性が考えるレベルの数段上をイくものだと思います。ノンケ男にとっては自分以外の男の肌に触れる事さえ、絶大な嫌悪感の対象となります。

 何かの拍子に一瞬手と手が当たってしまっただけでも「ホンマにすまん」と感じてしまうほどです。女性同士が冗談で手を組んだり手を繋いだりするような事は、ノンケ成人男性同士ではあり得ません。

 気持ち悪いからです。

 これはもう説明のしようもなく、生理的な話なんでしょうね。だからこそ、BLはファンタジーとして捉える事が可能だとも云えます。僕などは、少女漫画で鍛えられた恋愛ファンタジーフィルタのおかげでBLも恋愛漫画として楽しめるわけですが、現実のリアル男子をそのまま当てはめて読めるかと云えばソレは無理なのです。

恋愛とセックスと

さてこれは単なる好みの話かもしれませんが、どうも作品の売りが「エロ」を全面に押し出すあまり恋愛の内面的深掘りが薄目で、僕としてはその部分でちょっと食い足りない感はあるんですね。性欲絶倫なのに無垢な天使キャラ、という年下設定はアリだとしても、好きになるプロセスや二人の関係を構築するプロセスにおいて大きなドラマ性(障害や軋轢 etc.)が少ないものですから、肉欲以外の部分は割とアッサリ目の掛け合いに感じてしまいました。2巻になって綾木くんが登場し二人をひっかきまわしてくれるのですが、もっと踏み込んで来てほしいな~なんて思ったのです。

 年上受けの高人くんが恥ずかしがる場面をいかに作るか、どんな恥ずかしがり方をしてくれるか、と云う期待に応えるべく、コスプレプレイ、屋外カーセックス、ドライオーガズムなどが用意されています。肛門の断面表現によるフィンガリングなんかも描写され直接的な表現が多いですね~。

 じゃあエロはズバ抜けているかと云うと、ソコはソレでまーまーマイルドなんですよね。いや、僕の目が汚れているだけなのか……。とは云え、なかなかバリエーション豊かにいじられているので、見どころは多いのかも。何より、ゲスいエロではないので女性的な美意識が存在していて、ソコは好きです。(ゲスいのも好きですけどね!)

 本作品を楽しむ最大のポイントは「年上男性がいかにグズグズ受けに開発されていくか」と「高人くんがチュン太くんに対して素直になれない可愛さ」のような気がするので、なんとも的外れな意見なのかもしれませんな~。

今後の展開への展望

物語の最後は、明らかに3巻の存在を示唆しています。つーか作者様ご本人のあとがきに続きを描く旨記載がありました。物語的なフックとしては高人くんとチュン太くんの二人にちょっかいを出す綾木くんとの顛末、同棲を始める事になった二人のラブくエロいイチャイチャ、そして巻末に用意された芸能カメラマン登場による新展開、ですね。二人の恋愛事情を狙う事になったカメラマンが、ラブホモ現場の写真を撮ってしまうのか?って感じなのかなー。話の流れとしてカメラマンに追い回される事が予想されますが、やはりソコは写真をネタに強請られる展開に期待が広がりますね。もちろん高人くんが写真を取り戻す為に身を鬻ぐんでしょう。待て次巻!

最後に

描きたいものがストレートに表現されている作品だと思いました。エロを扱う創作物にとって、「自分が興奮出来るモノを創る」のは鉄則でしょう。リビドーが筆を動かした結果が、最も煽情的だと思うんですよね。そう云った意味で、桜日先生は己の性癖をこれでもか!と云わんばかりにページに叩き付けているように思います。

 ブラボー!

 年上の男が、どんな顔でオネダリするとグっと来るのか。年上の男が、恥ずかしいのに気持ち良すぎてつい声が出てしまう様がいかに愛おしいか。エロに限らず「私が見たいのはコレだ」と決意表明されているかのようですな。

 一応書いておきますとデッサン的には結構ラフな事になっていますが、まあそんなこたぁどうでもいい事です。何度か登場する、正面アングルのキメ顔は年季が入ってるクオリティだなぁと思いました。

 色々御託を並べました。いずれにせよ次巻が楽しみです。■■

桜日梯子ファンブック

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written by つよ