Boys Love教習所

BL世界や雑談をだらだら綴るブログ

フリーミアム・ゲームについて考えた

フリーミアム・ゲームが日本でもそれなりの地位を獲得したのは5年ほど前。思えば2009年のOGC(Online Game Conference)で始めてfacebookの存在を知って以来、全てのゲーム的な存在がソーシャルゲームに覆い尽くされる事は無いと思っていましたし今後もないと思っていますが、一過性の潮流であれソーシャル・ゲーム≒フリーミアム・ゲームのプレイヤー数が増えたのは間違いないですよね。

基本無料って好き?

「基本無料」と云う色々な決まり事にギリギリの線で抵触しないように見えるモデルは恐らく長くは続かない、法的な整備と云う意味でもいずれ何かしら区分けされる気がするのと、結局は何に対して価値を感じるかと云うユーザ側の体感について期間的な限界があると思うから、なんて思っていたらNintendo社がDeNA社と手を繋いで遂にスマート・フォンプラットフォームでコンテンツをリリースする予定だなんてニュースに遭遇したりもする昨今。見事に想像は外れましたw。

 フリーミアム・ゲーム≒ソーシャル・ゲームは形を変えてアプリ・ゲームという名前になりましたが、ソーシャル性という部分においてはあまり変わったわけでもない印象です。2009年にfacebookでソーシャル・ゲームを見つけた瞬間は周りであまり知られておらず、ちょっといかがわしい部分も含めて魅力を感じました。今となってはなんだか期待した存在への発展からは、随分遠い存在となってしまったなー。価値創出の着地点については、これまでもずっと考えて来た事でして、実益の伴わない価値はプロセスと環境が大きく影響すると思うんですよね。

 ソレを買わなくても死なないし困らない、というものに対して人はとんでもない大金を使うものです。

 体験や感覚と云う無形のものに、売る側も買う側も概ね一致した価値を感じていなければ成立しないこのやり取りについて、その他商取引においては既に当たり前の出来事だと思えば、ゲームと云う産業がやっと一周回ったという事なのかもしれません。

 エンタテインメントも手法や性質によっていくつかの分類が出来ますし、全てを同様に考えるとズレるのでしょうけど、結局は体験や感覚を買うという事では同じと云える気がします。ユーザが考えているのは出来れば上質の体験や感覚を手に入れたいという事、と云う意味で。

ユーザのリスク

 問題はその価値に対するリスクをどの段階でユーザが負担すべきかと云う事だと思うのです。最もシンプルで理想的なのは、その体験や感覚を入手する前にその価値をユーザが認識し、提示された対価を支払うと云う形ですが、その価値を認識すると云うのが難しいですよね。映画でも書籍でも音楽CDでもそうですけども、価値への納得度はいくらかの周辺情報からなんとなく形作られた価値を信じて半ば博打的に認識しているはずですから。任天堂のタイトルならきっとこう云うアクションの面白さを提供してくれるだろう、SQEX社のタイトルならきっとこう云うビジュアル的感動を提供してくれるだろう、と感じながらそれなりの情報を得てコンテンツを購入し、満足/不満足を感じたりするわけです。

 この時の満足/不満足の基準はお金でしょうか、時間でしょうか。なんとなくの印象ですけども、売り切り型のコンテンツに対する基準はやはりお金じゃないでしょうか。5000円も出したのにこんなクソゲーだったとは!チクショー!的な事です。

 ところが、ソーシャル・ゲームやアプリ・ゲームのような最初にコンテンツに対する対価を支払わないケースの場合、何か不満足を感じたとしてもそもそも金銭的なリスクを背負っていない分、怒りの矛先はお金ではなく時間に対して向けられる事になるように思います。せっかく自分の時間を使って遊んでみたのに面白くなかった!なんて事だ!と。お金と違って時間を増やす事は出来ないので、本来は時間喪失のリスクの方が絶大ですよね。時間はココに来てやっとその正当な評価を受けて居るのかもしれませんw。

 とにかく、フリーミアム・ゲームにおける価値基準が時間であると突き詰めれば、如何に短い時間で楽しみを得られ快感を感じ得したと思える経験を体感出来るか、がコンテンツのクオリティと云えそうです。楽しみを得る為にでさえ時間を使いたく無い人々ってどんな人かと考えてしまいますけど、実際にそうなんですよね最近の空気は。

コストパフォーマンスについて

 この先どの程度までフリーミアム・ゲームの波が世界を席巻するのかは置いておくとして、とにかく娯楽に対する効率や時間的コストパフォーマンスが重視される最近の傾向は、僕はあまり好きではありません。無駄の中にこそ換え難い価値が潜んでいると思っているので、娯楽で使う時間などはジャブジャブ使って居たいわけです。仕事柄フリーミアム・ゲームはそれなりの本数を継続的にプレイしつつも、絶対に効率的なプレイスタイルを採用しないのはそう云った意味なのでした。さーて刀剣乱舞で検非違使さがそーっと■■

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written by つよ