Boys Love教習所

BL世界や雑談をだらだら綴るブログ

腐男子成長記録・後篇

さて前篇では、定義の確認から僕を腐男子として認定しても良いらしい事が判りました。また、腐男子が好むものとして同性愛を扱った恋愛ものコンテンツの性質から、特徴のひとつである「カップル戦争」について乱暴な比喩で宗教戦争に似たりと云い切ってしまいました。

 そうまでして自己を肯定せんとする熱量を、僕自身は持っているのか、と云う話題の続きです。

僕が好きなものって

 基本的には何かしらの創作者が存在する物事は、大体なんでも興味があります。音楽、映画、漫画、などは当たり前として、仏像、建築物、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、web、料理、などなどいくらでもありますよね。それらに共通するのは何か。

  • 創作者の意図(何をどう表現したいのか)
  • 伝統と開拓(受け継ぐべき先人の知恵と地平を切り開く精神)
  • 自己肯定としての表現(自分の考えそのものが表出した結果)

 こんな感じですね。これらが内包される創作物には、もしかしたら燃え尽きる程ヒートしハートが震えるナニかが潜んでいるかもしれない、と云う期待が持てるからです。何を鑑賞する時でも、こう云った視点で眺める事が多いのですね。もちろんBL作品とて同じ。逆に、これらのポイントが見つからない作品などには、魅力を感じないわけです。

誰かを攻撃したいか

 ここが問題です。と云うのも基本的に他人の趣味や主張が自分のソレと相違した場合、そこにも興味の目が向く事になるので、むしろ歩み寄りたいような気持になるからです。

 え!?そんな見方もあるの!?

 なんでなんで!?

 どこが面白ポイントなの!?

 自分の知らない面白ポイントが実は在って、そこに自分は気が付けていないだけだとしたら?

 自分が知っている面白ポイントはその未知の面白ポイントよりもツマラナイとしたら?

 そんな可能性を想像してしまい、ムズムズしてしまうんです。もし元々自分が知っていた面白ポイントの方が自分にフィットしていたとしたら、さっさと忘れてしまえばいいだけで、自分の見方の方が優れていそうだと確認も出来た事だし良かった良かった、となるわけです。と云う事は趣味が微妙に違う誰かの主張は、僕にとっては既にエンタテインメントだと云えそうです。

 しかし。

 BLなどは僕にとって「新しいエンタテインメント」ですから、色々の主張やスタンスの総てが新鮮で刺激的ですが、物心ついた頃から好きで楽しんでいる音楽などは、自分の主張やスタンスがある程度固まっている部分もあり、その輪郭はハッキリクッキリ東芝さん状態です。てことは、攻撃したくなる時もあるのか?

攻撃したくなる場面

音楽の話、実はシンプルに良い悪いを判断出来る部分もあります。楽典的観点から異常であるとか、明らかなリズムのズレなど。こう云う事で議論した場合は解釈の幅はあれど、概ねの決着がつきやすいと云えます。こういうのは楽しい闘いです。問題があるのははやり、自分が好きなアーティストを攻撃された時です。

 例えば、「ブルーハーツなんてへたくそで聴いていられない」という主張。もうこうなってくると、主張の大部分が主観に支配されていて議論になりません。根拠は「好きだから」であり、マイナス点として挙げられる事柄も「ソコがいい」という言葉で総てに反論出来てしまうからです。僕としてはそんな理解を持っていて、誰かの好みとの差分については自分の中で決着がつくのですが、誰しもがそうとは限りません。僕がたまたまディスったアーティストについて、「それは違うなぜなら……」と云う主張が展開された場合は、それなりに対抗してしまうんですね。

オトナゲない振る舞い

 「君の好みは君のものだから僕にとってはどちらでも良い、ただしそのアーティストの高音が不安定なのは間違いない」

 とか云っちゃうんですね。オトナゲないわー。これはそのアーティストに関する云々を圧し通したいのではなく、自分の音楽観や理解を肯定する為に必要な、引けない闘いとなるわけです。これは結構厄介なヤツです。下手をすると長い云い合いに発展する可能性さえあります。話題は各所に飛び火しながら、結果的に目指しているゴールは、自己顕示欲の充足にとって代わっていきつつも、リアルタイムにはその事に気が付く事も出来ず、不毛な小競り合いが続く、というパターン。

カップル戦争に戻って

さて、カップル戦争を思い出します。つまりは自己顕示欲の衝突って事ですかね。元々が2次創作的発展をして来たBLジャンルですから、そのカップル設定に自己顕示が内包されているのも納得出来ますし。ひいては、自己愛ですかね?カップル設定の肯定は、自己愛の充足である、と云う結論。誰かとこの話題を肴に呑んでみたいものです。

最後に

僕の、腐男子としての成長を報告するつもりで書き始めたエントリでしたが、横道に逸れました。がしかし、こういう事を考えるような状態になった、と云う事を示す事は出来たのでまあいいかな。

大人の流儀

大人の流儀

 まだまだ旅は続くのでした。■■

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written by つよ