先日、スター・トレックの新作をIMAX3Dの劇場で観て来ました。内容に関する感想は思いっきりネタバレしながら書いているので宜しければ読んでやってください。映画の感想とは別に思った事もあったので書いておこうと思います。
スター・トレックの新シリーズ
スター・トレックの新作そのものはイマイチ日本ではヒットしませんでした。今シリーズのリブートは、稀に見る新設定により旧作の世界観との共存を可能にした傑作であると思うのですが、いかんせんSFは日本人にウケが悪いんですよね。
まそれはいいとして。
この新作シリーズのレギュラーキャラクタにヒカル・スールーと云う操舵士が登場します。旧作から存在している重要なキャラクタで、メインデッキで操舵するキャラと云えば彼です。
ヒカル・スールー (Hikaru Sulu) は、アメリカのSF作品『スタートレック』シリーズのテレビドラマ『宇宙大作戦』(TOS)と劇場版シリーズの登場人物。日本語吹替版では役名は「カトー(加藤)」とされた。宇宙パトロール船U.S.S.エンタープライズ号主任パイロット。オリジナルの俳優はジョージ・タケイ、劇場版第11作目以降 はジョン・チョーが演じる。
旧ヒカル・スールー
ジョージ・ホサト・タケイ・アルトマン(英語:George Hosato Takei Altman、日本名:武井 穂郷〈たけい ほさと〉、1937年4月20日- )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれの俳優である。日系アメリカ人二世。『宇宙大作戦』から始まる『スタートレック』シリーズのヒカル・スールー役が有名。
新ヒカル・スールー
ジョン・ヨハン・チョー(John Yohan Cho)、1972年6月16日 - )は、韓国ソウル市生まれのアメリカ合衆国の俳優・コメディアン、ミュージシャン・声優である。身長176cm。
スター・トレックと同性愛者
スールーは共通して東洋系の俳優さんが演じています。
このスールーが最新作「スター・トレック ビヨンド」の劇中、立ち寄った宇宙基地ヨークタウンで久しぶりに家族と再会するシーンが描かれます。物語そのものに影響を与えるような大きな出来事と云うワケではないのですが、その家族と云うのが男性のパートナーと恐らく養子の娘*1なんですね。
さり気なく描かれているのでうっかり見逃す可能性さえあるカット。しかしこの家族は後の展開でヨークタウンが危機に晒された際に再度、不安な表情を浮かべるカットで登場します。
スールーは家族を救う為にも大いに活躍するのです。こうした同性愛者の扱いは昨今のハリウッド映画では超異例の出来事でしょう。マイナーなアート作品などではなく、超ド級のメジャータイトルであるスター・トレックでの表現です。
何故今になってスールーをわざわざ同性愛者として描いたのか?と不思議に思った方もいらっしゃったかもしれません。ただ単に昨今のLGBTの潮流に対する反応なんだろうなと理解されたでしょうか。
しかし事実はもっと素晴らしい理由がありました。
と云うのも、かつてヒカル・スールーを演じたジョージ・タケイさんはゲイをカミングアウトしていまして、2008年に同成婚をしています。かつてスールーを演じた俳優自信がゲイである事を受けて、新作でそのジェンダーを尊重したと云えますよね。
僕はジョージ・タケイ氏が同性愛者*2である事をニュースで知っていたので、スールーの家族が描かれるシーンで大層感動してしまいました。スター・トレックというメジャー作品で表現する事に大きな意味があったと思います。
こうした事は今後エンタメの世界でも広がっていくといいなと思いました。■■