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Boys Love Institute

ノンケ男がBL世界や雑談をだらだら綴るブログ

漫画「春風のエトランゼ」2巻を読んだ感想は『たべちゃうのかー』だった

Comic 紀伊カンナ 商業BL

発売日には購入していたものの、まとまった時間がなかなかとれず、細切れで読んでは戻り読んでは戻りしていました。お待ちかねの人気シリーズ新刊です。

 と云っても賢明は読者諸姉はちゃんと連載を追いかけておられるんでしょうねー。僕は色々の都合で単行本派です!onBLUE読みたいんですけどねー。追いかける作品が格段に増えてしまうので、手を出せずにいるチキン野郎なのです……。

基本情報

春風のエトランゼ 2 (onBLUEコミックス)

春風のエトランゼ 2 (onBLUEコミックス)

 

心洗われるピュアフルBL エトランゼシリーズ

「今まで生きてきた中で今が一番幸せだな」

若手小説家の駿は、同性の恋人・実央を連れて何年も音信不通にしていた実家へ戻った。
離れに住むことになった2人は、養子の〝弟〟ふみの来襲を受けながら、風変わりな実家生活を始める。
初めは居心地が悪かった駿だったが、すこやかに過ごす実央のそばで、次第にこの暮らしを受け入れていく。
そんな日々の中で、実央のとある気持ちを知り―――?

感想

カンナ先生作品の楽しみの一つは、表紙イラストをしげしげと眺める事です。本作も物語性を感じる、丁寧な描写のイラストでした。ちゃんと裏表紙がオチになっていて楽しいですねー。

 もちろん懸命な読者である腐女子諸姉は、カバーを外して見開きで閲覧しましたよね?

 こう云った仕掛けやイラストのクオリティは単行本化にあたって必ずしも必要ではないワケですから、どの程度のカロリーをもって制作するかは作家の思想、意志によって大きく左右されるんですよね。カンナ先生のサービス精神や、描きたい風景と云うものが、ひしひしと伝わってくるような気がします。

 もう大好き!

開始25ページで大ネタ

1巻の感想に置いて僕は、カンナ先生の闘いはここからかもしれないと書きました。つまり、あまりに平穏に過ぎ行く日常を描いている為に、物語のフックが弟「ふみ」くんくらいしか想像できず「ホントにこれで転がしていけるのかな?」と云う偉そうな懸念だったワケです。

 が。全然イケてました!凡愚が勝手な心配してさーせん!

 ただ本当にセンセーショナルな事件が全然起きないのは、そうなんですよね。弟「ふみ」くんが名言を吐くシーンは秀逸でしたが、新キャラが登場する事もなく関係性が大きく変わる事もないまま日常が過ぎていきます。

 「なんでちんちんたべちゃうの」

 P.25のこのコマを観るために単行本650円+税を支払ったと思っても、全然アリです。

1巻がシリアスだった事への反動か

上記のセリフに限らず、この2巻は全編を通してギャグが満載です。判りやすいものから含みのあるものまで様々でして、カンナ先生のユーモアセンスが炸裂している一冊と云ってもいいのではないでしょうか。

 1巻から本作2巻発売の間に、1冊完結の(と云っても全然続きそうな終わりでしたが)「雪の下のクオリア」と云う作品も発表・発売されています。この作品は家族がテーマでした、つーかカンナ先生は基本的に家族をテーマにした作品作りが、もはや作家性ですよね。

 BL、ゲイ、と云う要素を扱いながら、家族との共存や軋轢を描いていらっしゃいます。

 その普遍的な大テーマのフリとして、これまでのエピソードではそれなりに重たい内容も描いてきました。家族と離れて生活していた駿くんが男の恋人を連れて実家に帰ると云う展開は、それだけでもなかなか振り切った内容です。

 しかし、家族にもそれなりに受け入れられた彼等二人は、家族、街、と共存する形をすこしづつ構築していくんですね。

 ただ、そんなの正直面白くしようがないワケでしてw。だもんですから、ふみくんを交えた3人のコント的日常の表現が増えます。

 時折、現実的な問題をメスのようにッっと差し挟みながら、物語のテンポが一定にならないような工夫でもって小さな笑いを放り込んでくる感じ、なんです。

 この波の作り方は、合う人と合わない人が居るだろうなーとは思いました。僕はのんびり穏やかな展開も楽しめるので上手だなーと思いながら読めたワケですが、読む人によってはタルいと感じるかもしれませんね。

家族はクリアしたのでその次

正直、駿くんがゲイである事も最大のハードルに思えた弟「ふみ」くんに明かしてしまったので、家族サイドのフックはもう残されていないも同然です。緩やかにお互いを理解しあい時々衝突しながら仲良くなっていくのを見守る事になるでしょう。

 そこで次に用意されていたハードルは世間との共存です(たぶん)。

 伏線として、ふみくんの同級生女子が同性愛についてちょっかいを出しはじめています。そして2巻の最後は、駿くんがふみくんの参観日に行く事を頼まれるトコロで終わるんですね。

 これは、学校、ひいては社会におけるゲイの存在の在り様、社会からの拒絶などと云った課題が透けて見えるようで、とてもイヤな終わり方でした。少なくとも僕にとっては、そわそわして落ち着かない感じです。

 もしこのギャグ感溢れる2巻の幸せな空気から急転直下、地域から糾弾されるようになる二人の運命が3巻で描かれる、としたら。

 onBLUEを購読していない僕は、悶絶しながら数カ月待つ事になるワケです……。

最後に

絵が巧い件はもう取り立てて云わない事にしましたw。もしもあなたが紀伊カンナ作品未読の人類だったとしたら、悪い事は云いません、今すぐamazonにアクセスしてください。あいやアフィとかそーゆーんじゃなくって、違っ、ばかっ!ブックオフでもいいです!間違えちゃだめですよ!ちゃんと「海辺のエトランゼ」から読むように!■■

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written by つよ