Boys Love Institute

ノンケ男がBL世界や雑談をだらだら綴るブログ

「花とうさぎ」を読んだ感想は『もっと恥ずかしい気分になりたい』だった

教習テキストの2冊目を読了したので感想をしたためてみようと思います。今回の教材はこれ。ネタバレを気にせず書くつもりですので、購入予定のある方はご注意くださいませ。

基本情報

花とうさぎ (GUSH COMICS)

花とうさぎ (GUSH COMICS)

 

411号室の相澤さんは、いつもウサギをかぶっている…。

配達のお得意先の相澤さんは、引きこもりで人見知りのウサギ男だ。
大体何であんなの被ってんだ。変態?
毎日配達してるのに顔は見えないし無口で、怖いコトこの上ない。
なのにある日、ウサギ頭のまま、腕をぎゅっと握ってきて「ま…また明日、よろしくお願いします…」なんて俯き加減で言われたらもう――
ときめいちゃうじゃないですか。
BL界の若き彗星・嘉島ちあきのデビュー作!

感想

表紙からして可愛らしいのほほんとした雰囲気が漂ってきます本作、作者の商業BLデビューの一冊です。タイトルの物語と短編が2編という構成。どの話もBLというよりも、男子2人の恋愛話と云った趣でとにかく可愛い内容でした。

 キスをするしないでドキドキしてきゃーという感じ。

 セックス描写もあるにはあるけど、サラリと美しい表現に留めているのは作家性なんでしょうね。この辺りはナニが正解というよりはナニを表現したいのかと云う作り手の意志によって決定されるものですから、感覚チャンネルをチューニングして物語に入っていく事にしました。

 そう云った構成の作品となると重要になってくるのは感情のひだを丁寧に描写していくドラマの構成力や、絵としての感情表現(とりわけ笑顔と泣き顔)の質の高さで、敢えて飛び道具的な手法を使っていない分、作品の出来栄えは雰囲気の完成度に集約されると思うのですよ。

もっと恥ずかしがりたい

そう云った意味で本作は僕的にちょっと食い足りない印象でした。初心者のくせに偉そう!?いやこれは好みの話かなあー。

 到達したいシチュエーションや、こう云う流れの会話に持って行きたいと云う作者の狙いはとても良く理解出来るのですが、そこに至る展開が少々強引であるせいか必然性が薄く感じられて、なんとなくこうなるんじゃないかな~と云う予想の通りに話が進む感じだったんですよね。

 たまたまだったのかもしれませんけども。

 うさぎの被り物と云うギミックは、もうちょっと上手く使えそうな気がするんですよね。主人公に一目惚れして恥ずかしさのあまり被り物を外せない男と云う設定の割に、主人公登場以前から被っていたと云う設定なのでせっかくのフックがとんがってこないというか。

 どうせなら、周りの人々はみんなウサギ男の顔を知ってるのに、主人公だけはどうやっても顔を見る事が出来ないと云う展開のほうが良かったかなー、とか。このうさぎ男についても、もっと彼の感情や主人公を好きで好きでどうしようもなくなるような表現があると、グっと来たかもしれないなと思いました。

 もっと「好き」という気持ちの恥ずかしくて純粋で愛おしい部分を見せてくれー的な。まだ作家さん自身が、本当のときめき成分(他人にみせるのは結構恥ずかしい部分)を隠し持っているような気がします。

 それを見せて!

最後に

まあまあ偉そうに評してる感じですかね。いやいや、スルリスルリと読めたしつまんないなんて事はありません。

 男の子がもし男を好きになってしまったらこんな風に困惑すると確かに爽やかです。独特の柔らかい空気感が持ち味の作家さんのようなので、感情表現が更に上手になっていく事を思うとまた次の単行本は読んでみたいなと思いました。いや、フォローしてるんじゃないってば。マジで云ってるってば。

 さて、次は左近堂絵里先生の作品を読みます!■■

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written by つよ