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Boys Love Institute

ノンケ男がBL世界や雑談をだらだら綴るブログ

【ネタバレ注意】映画「同級生」を公開初日に観てきたよ!『観たかった同級生は正にコレだ!』と思った件

2016年02月20日を生きて過ごす事が出来て本当に嬉しい限りです。何気ない土曜日を数ヶ月前から待ち遠しく感じていた僕は、遂に本懐を遂げたのです。

 映画「同級生」公開。

 先にお断りしておきますが、原作付とは云え劇場公開されたばかりですのでネタバレを含む内容でも構わないという方のみ、以下続きをお読みください。公開から3日待ったのでお許しくださいませ。

「同級生」公開日を待った10ヶ月

中村明日美子先生はBL作品以外も発表されていて、どれも明日美子世界観が炸裂しています。絵柄、話、構成、どれも僕は絶賛して止まないのですが、そこまで好きな作品が劇場公開されると云うニュースは、原作読了直後に知りました。思えばザックリ1年前です。それから徐々に公開される各種の情報に期待と不安で胸躍らせながら、公開日を今か今かと待っておりました。

 公開されるスタッフや予告編映像などを観るにつけ、これは大丈夫だろう!と思いながらも、心のどこかでは「いやしかしココまで役者は揃った上でスベってたとしたら?」「明日美子先生の繊細な絵が無茶苦茶簡素化されて別物のようになっていたとしたら?」など、ネチネチとファンであるが故の余計な心配をしていました。それほど好きだっちゅー事なんですが。さて、劇場版「同級生」はいかな出来栄えだったのか。

 結論から書きますと、大変満足でした!

原作へのリスペクトに溢れた良作

大筋でこの感想ですね。観終わった後は、何を不安がっていたのかと過去の自分を猛省しましたよ。作品に対する愛情に満ちていたつーか、ちゃんとファンと同じ目線で作品を愛し、共に観たい作品を生み出す目的で、制作されたんじゃないかなぁと感じました。

 もちろん興行的な結果が捨て置けないのは当たり前ですが、丁寧な作風はきっと多くのファンの心にも刺さるモノになっていると思います。

 漫画原作のアニメ化は、制作者の原作に対する愛情程度が作品の最終的な出来栄えを決定するものです。ただ単に発注されたシーンを作画しコマの通りにカットを割っていけばいいワケでは当然ありません。

 パッと見で云えば、シーンもカメラ位置も漫画作品内で設定されているし、映像化し易い題材に見えるのですがそれは全然違います。

漫画と映像の間に横たわる課題

漫画と映像の一番の違いは、リニアなシーケンスに落とし込まれる点です。専門用語使っていい気になるなよヴォケッ!と云う批判はごもっともです。掻い摘んでお話します。

 漫画を読んでいる時と云うのは、コマやセリフ、表情や場面の絵、などが定義されていますが、時間の流れまでは制御出来ません。つまり、読者は自分なりの勝手なスピードで会話を脳内再生し、勝手なスピードでアクションさせています。これは、それぞれが必ず勝手に脳内でヤっている事なので、自分のスピードが正しいと思っています。

 そうした自分基準がベースとなっているコンテンツが原作の場合、それを監督や作画監督、ひいては原画マン動画マンのさじ加減で時間軸に配置し決定していくのですから、なんとも無謀な闘いなのです。

 完全新作なら、世に生まれた瞬間がオリジナルですから、なんとでも云ってしまえばいいのですが、10年前の漫画原作となると、そこはなんともデリケイトな領域になるワケです。

 それでもアクション性の高い作品であれば、動画に出来る事は性質上メリットとして働く要素も多いのですが、この「同級生」なる作品は実に内証的で詩的な作品です。

 速度やニュアンスを汎用化する事が実に困難だったはず。

最大公約数的答えの精度

結局、万人が認める作品などはあり得ないワケですから、最大公約数としての映像的センスや演出手腕が求められる事になるんですよね。そして映画「同級生」は、正にその部分において実にハイレベルな完成度に到達しているんです。

 これには本当に驚きましたし、心の中で拍手喝采でした。

絵的な完成度

セルアニメで動かす以上、少なからず省略が必要となります。1秒に24枚も絵を描く必要があるので、瞬間を切り取った絵を描く漫画作品に比べると、どうしても線のコストパフォーマンスが異なってくるからです。

 そこは演出的に、敢えてあるシーンだけ線の解像度を高くするなどして場面毎の空気感を作っていくわけですが、本作品はこの配分が最高でした。

 引きのアングルやカメラポジションの時は、中村明日美子先生も実際に漫画作品中で使うようなシンプルな線による作画が採用されます。この省略加減が、実に明日美子風、なんです。

 更に、顔アップの時には漫画作品同様に、繊細な描線で瞼や睫毛が描かれ、これも明日美子先生の作画を彷彿とさせる仕上がりでした。

 正に、「同級生」を動かしたらこうなるんだろうな、と思えるような出来栄えだったんですね。これは劇場の大きなスクリーンで観るとより如実に感じられるので、劇場での鑑賞をオススメしたいです。

 顔面のアップなどは本当に美しい作画でして、草壁くんも佐条くんもうっすらと紫がかったアイラインがひかれたような表現がされていました。この映画、目がむっさヤバいです。

 むっさ綺麗です。

 明日美子先生の作品は、キャラクタの立ち姿がとても美しいんですね。BL作品では特に男性の体躯バランスもかなりアレンジされていて、ヒョロリと長い手脚が印象的なのですが、コレもしっかり再現されていました。

 もうね、絵的な部分でのマイナスは殆どありません。安心して観てください。

動画のセンスにため息

コレは本当に良かったですねー。映像化において1番のキモであり1番の難題であるのが、動きのテンポ感です。どこをサッサと処理し、どこをタップリ見せるのか。

 特にキスシーンの間の取り方や音の演出は絶品でしたね。二人で歌の練習をした後、いつもの公園でいつもの場所に座り何気ない話をしている場面。草壁くんは思い切ってハラセンの事を佐条君に聴いてしまう、あのシーンです。

 質問に狼狽えてボトルを落とす佐条くん。

 拾おうとする二人。

 不意に顔が近づいてしまう二人。

 草壁くんの中で何かが弾け、つい佐条くんの顔を引き寄せキスしてしまう///。

 この時の演出は、キスの瞬間までは何気ない日常の延長線上として描かれ時間が流れていきますが、二人の唇が触れた瞬間に無音となり、世界が止まります。この無音の時間はほんの数秒なのに(多分)劇場で見ているとものすごく長く感じられました。演出の勝利です。

 恐らく劇場にいた僕以外の腐女子諸姉の心臓も、数秒止まっていたと思います(ザ・ワールド発動)。

 この作品の最大の見どころでもありますね。

声、セリフの完成度

声について完成度の高低を論じるのはなかなか難しいのでしょうが、僕はすんなり物語に入っていけました。違和感を感じる事は一切なかったですね。ただまあこのあたり、これまでの声優さんの活動を知っている事などが影響して、人によっては不本意だったりもするんでしょうか。

 原作中に小さな書き文字で書かれていたガヤのセリフなども結構拾われていてちゃんと再現されていました。このあたりには作品愛を感じましたね。原作をより読み込んでいるファンに対するサービスなんだなと。

 セリフ回しで上手いなと感じたのは、草壁くんがテンパって一人でブツブツと自壊するシーンの早口で喋る場面です。むっさ自然でリアルなんですよねー。地味ながら声優さんの技量が光る画面だったと思います。

全体の構成

原作「同級生」を完全にフォローしてはいませんで、佐条くんとハラセンの出会いのエピソードは省かれていました。70分に収めるにはちょっとキツかったんでしょうかね。でもまとめ方としては違和感なく、草壁くんと佐条くんにフォーカスした自然な展開となっていました。

 そして映画は原作の通り、「二度目の夏」で終わります。

 残念ながら「サボタージュ」も省かれていました。しかしこれ、ブルーレイ発売時に追加収録とかされないかなと妄想しています。いいんですよね、何気ない二人のやりとりが。ちゅーの話。

 途中のサブタイトルも前作の通りに差し挟まれます。原作を知っていると嬉しい演出ですが、ニクいのはこのときのタイトルを表記する文字が手書きになっていまして、これが原作のあとがきなどで見ることが出来る、中村明日美子先生の文字に風合いがそっくりなんです。

 もしかしたら本当にご本人が書いた文字なのか?更に、エンドロールの文字もこの手書き文字でした。些細な演出ながらここでも原作愛を感じましたね。

楽曲が効果的に機能していた

本作は楽曲を押尾コータローさんが担当されています。大阪が誇るアコースティック・ギター奏者です。彼の音楽は基本的にインストゥルメンタルでしてつまり歌なしです。

 アコースティックで一人で演奏出来るものが殆どでして、特にアコギに拘ったプレイに特徴があります。アコースティックギターってこんな音出せるの!?と驚いてしまうような奏法を繰り出すものですから、映像的にも楽しいんですね。

 有名な曲で「Hard Rain」と云う曲がありまして、その奏法について解説した動画なんかを貼り付けておきますね。彼の音楽は超オススメです。

最後に

色々と書きましたが、全然書き足りません。ただ4000文字以上は読むのもしんどかろうと思いますので、今回はこのあたりで。あ、素敵なパンフレットの事も書いてない!劇場来訪特典の事も書いてない!

 またいずれこの記事を更新する事になろうかと思います。期待せずに待っていてくださいませ。■■

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written by つよ